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「いい人をやめる」と見える世界が変わる

40代前半、私は月間100時間の残業を当たり前のようにこなしていました。

早朝の電車で会社へいき、終電で帰る日々。

帰れなくなり、カプセルホテルに泊まることもたびたびありました。

仕事で成果を出すこと、それだけを目指し、感情を押し殺し、周囲の期待に応えようと、必死でした。

当時「NO」と言う言葉は、私の辞書にはありませんでした。

そんな生活が2年以上続き、ある日、医者に告げられたのは、

「ステージ4の癌です。緊急手術が必要です。」

という、まるで別世界から聞こえてきた言葉でした。

それでも私は、「手術するなら残務をしなければならないので会社に行く時間をください」と医師に告げたのです。
今思うと仕事への執着は、もはや病的だったのかもしれません。


手術後、病室のベッドに横たわり、自分の人生を振り返った時、私は「いい人」を演じ続けていたことに気づきました。

周囲にどう思われるか、評価を過度に気にし、自分の本心にフタをしていたのです。

当時はそれが人として当たり前だと信じていました。


その結果、大切な健康を損ない、命を危機にさらしたのです。

当時は仕事で成果を出すこと、それが私のすべてでした。

残業中、辛いとか苦しいという感情は脇に置き、「もっともっとやらねばならないことがあるはずだ」という思いで頭がいっぱいでした。


しかし、それは本当にそうだったのでしょうか?


幸い、治療のおかげで今は完全に元気になりましたが、この経験を通して、私は「いい人」をやめることの大切さを身をもって知りました。

「いい人」をやめることは、決して「悪い人」になることではありません。


それは、自分自身を大切にし、本当にやりたいことを追求する姿勢をとることです。



これに気づいてから、「~すべき」や「~しなければならない」という意識が、ただの思い込みであることに気づきました。


まるで、自分で自分の心をがんじがらめにしていたかのようです。




おもしろいことに、「いい人」をやめる姿勢をとると、本当の自分らしきものが見えてきたのです。

それは、まるで長年の探求の末にたどり着いた懐かしい感覚でした。

ここまでくると自然と笑えて来ました。

「生きてるだけでラッキーやん!」って。


でも思います。

こんなにも大きな病気を経験しなければ、このことに気づけなかったなんて、あまりにも遠回りだったと。


エコでないな、と。



人生は、もっとシンプルに、もっと自分らしく生きていいのだと。


いい人をやめると、案外、もっと心が軽くなり、周りの人とも良い関係を築けるのです。

良い関係を創れる人、それがいい人!(笑)


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